新築やリフォームにより、外構工事の費用相場について知りたいという方も多いのではないでしょうか。外構工事の費用を抑えるには、費用を構成する要素や外構工事ごとの相場について把握しておくことが大切です。
本記事では、外構工事の費用を決める要素や外構工事の費用相場を部分別に解説します。また、外構工事の費用を安く抑えるコツについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

外構工事の費用を決める3つの要素
外構工事の費用を決める3つの要素について解説します。
- 外構面積
- 外構タイプ
- 外構工事の範囲
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.外構面積
外構面積は敷地面積から建物の占める面積を引いた数値で、面積が広ければ広いほど工事の費用も高くなります。たとえば、敷地が200㎡、建築面積が100㎡の場合、外構面積は100㎡となります。
土間コンクリートを全面に施す場合、相場は㎡あたり約10,000円です。つまり、外構面積が100㎡なら総額は約100万円、200㎡なら約200万円が必要です。また、カーポートや門扉などの工事費は、外構面積に大きく依存するため、事前にしっかりと計画を立てるようにしましょう。
2.外構タイプ
次に、外構タイプについて解説します。
- オープン外構
- クローズ外構
- セミオープン外構・セミクローズ外構
それぞれについて詳しくみていきましょう。
オープン外構
オープン外構は、住宅の周囲を門やフェンスで囲まず、最小限の構造物のみを設置するスタイルです。このスタイルでは、視界を遮る塀やフェンスがないため、自然光や風を家のなかに取り込みやすく、敷地が狭くても広々とした印象を与えられます。
また、使用する建材の量も少なく、工期も短めであるため、コストを抑えやすい特徴があります。具体的には、工事費用はおおよそ50万円〜150万円の範囲内に収まる場合が多いです。
クローズ外構
クローズ外構は、高い塀やフェンスを設置して外部からの視線を遮断する外構スタイルです。このタイプは防犯性に優れ、プライバシーの保護にも適しています。
また、隣家との境界が明確になるため、境界に関するトラブルが発生しにくいというメリットがあります。クローズ外構を選択する場合は、使用する建材の量も多くなり、工期も長くなる傾向があるため、工事費用はおおむね150万円〜300万円の範囲での検討が必要です。
セミオープン外構・セミクローズ外構
セミオープン外構やセミクローズ外構は、オープン外構とクローズ外構の長所を組み合わせた外構スタイルです。これらのスタイルでは、部分的に塀やフェンスを設けて防犯性を向上させる一方で、開放感を損なわないように工夫がされています。
工事費は約100万円〜250万円程度であり、オープン外構とクローズ外構のメリットを融合させたこのスタイルは、多くの住宅で選ばれています。
3.外構工事の範囲
外構・エクステリア工事の範囲は広く、塀や囲い、ガレージやカーポート、庭やガーデン、玄関アプローチ、テラスやウッドデッキ、フェンス、門周りなど多岐にわたります。しかし、すべての家がこれらの工事を必要とするわけではありません。
工事が必要な箇所とそうでない箇所を見極めることが重要です。工事の範囲が広がれば費用も増加します。多くの場合、機能や装飾を加えるほど費用は上昇するため、長期的な視点で見て本当に必要なものだけを選ぶようにしましょう。
【部分別】外構工事の費用相場10例
次に、外構工事の費用相場について紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.ガレージ・カーポート
土間コンクリートのみの場合は、約20万円が相場です。そこにカーポートやガレージを設置する場合、費用は40万円〜100万円程度まで高くなるのが一般的です。
ガレージは壁と天井を備えた構造物で、セキュリティや車の保護の観点から選ばれています。一方、カーポートは屋根と柱だけで構成され、簡易的な車の保護が目的です。
これらをどのように選ぶかは、車の数やサイズ、地域の気象条件などにより変化します。たとえば、積雪の多い地域では、より頑丈な構造が必要となり、それが費用を押し上げる要因になります。
2.門周り
門周りの外構工事には、門扉や門塀、ポスト、表札などが含まれます。これらを一体的に工事する場合、費用の相場は15万円〜30万円程度となりますが、選ぶ材質によって金額の範囲は変動します。
門周りは家の顔ともいえる部分であり、デザイン性だけでなく、使い勝手や防犯性にも配慮が必要です。たとえば、高い防犯性を求める場合や、特別なデザインを採用する場合は、費用が上乗せされることも考えられます。
3.フェンス
フェンスはプライバシー保護や防犯として重要な役割を果たします。使用する材質によって費用が大きく異なるため、アルミや樹脂、木材など、目的や予算に応じた選択が欠かせません。
コンクリートの塀に比べると、フェンスは一般的にコストが低いとされており、工事費用の相場は大体40万円〜60万円程度になります。しかし、フェンスの高さや長さ、デザインの複雑さによっても価格は変動します。
4.塀・囲い
塀や囲いの設置は、プライバシーの保護や防犯として非常に重要です。これらの構造物の費用は、設置する範囲の長さや面積によって算出され、おおよそ50万円〜100万円程度が相場となるケースが多いです。
材質選びは、耐久性やメンテナンスのしやすさ、そしてデザインの観点から選ぶことが重要で、それぞれの要素が費用に影響を与えます。
5.玄関アプローチ
玄関アプローチの外構工事は、門から玄関に至るまでの通路を整備するもので、砂利やコンクリート、石材などを使用して安全かつ歩きやすい通路がつくられます。工事の費用は、1㎡あたりの単価で計算される場合が多く、施工面積によって総額が変動します。
一般的には、玄関アプローチの工事は約10万円〜15万円程度が相場とされており、全体としては30万円〜60万円程度の費用がかかる場合が多いです。これらは、使われる材料の質やデザイン、工事の規模がコストに大きく影響を与えるため、予算とのバランスを考えましょう。
6.テラス・ウッドデッキ
テラスやウッドデッキは、リビングと庭をつなぐ中間的な空間であり、屋外の自然を室内のような快適さで楽しめる場所です。
テラスやウッドデッキの工事費用は、使用する材質や施行面積、屋根の有無によって異なりますが、一般的には床と合わせて40万円〜50万円程度が相場とされています。標準的な屋根を追加する場合で約10万円、より高品質なものを選ぶと20万円〜30万円程度が加算されます。
7.庭
芝生の敷設だけであれば10万円程度かかりますが、デッキの設置やそのほかの新規設備の追加がある場合、約50万円〜100万円の範囲で費用が加算されます。
庭全体をリフォームする場合は、100万円以上が相場になるケースが多いです。庭造りは住宅の価値を高める要素の1つであり、住宅建築費の約1割を庭造りにあてるのが適切とされています。
8.ガーデンルーム・サンルーム
ガーデンルームやサンルームは、自然光を室内に取り入れることができる人気のあるオプションです。これらは、室内でありながら外の景色を楽しめるため、居住空間の質を向上させます。
多くの場合、ユニット型で提供されており、一般的な部屋の増築よりもコストを抑えて設置することが可能です。費用は設置するサンルームやガーデンルームのサイズや選択する素材、機能によって異なりますが、一般的には約50万円からが相場とされています。
9.照明・ライト
外構照明は、防犯や安全性の確保、および美観の向上に役立つ重要な要素です。門周りやカーポート、敷地内の道など、さまざまな場所に設置されています。LED照明の普及により、長寿命で省エネルギーな製品が増えており、外構照明としての選択肢が広がっています。
外構照明は、設置する数や種類によって費用が異なりますが、一般的な住宅のアプローチや塀周りに照明を設置する場合の相場は、約15万円〜25万円程度です。
10.植栽
植栽は外構の美観を高め、プライバシーの保護にも寄与します。シンボルツリーをはじめ、門周りや庭周りに植物を配置することで、家全体の雰囲気をよりオシャレに仕上げることが可能です。
一般的な植栽工事の費用は、おおよそ5万円〜20万円程度で、植える植物の種類や数量、植栽エリアの広さによって変動します。シンボルツリーや割栗石の設置など、多様な植栽工事は外構を彩る重要な要素の1つです。
外構工事の費用を安く抑えるコツは3つ
次に、外構工事の費用を安く抑えるコツについて解説します。
- できるだけDIYする
- 素材の値段を抑える
- 必要な工事を厳選する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.できるだけDIYする
安全性の問題がない作業であれば、100円ショップやホームセンターで購入した材料を使って自分で作業すると、大幅なコスト削減が可能です。初心者でも挑戦しやすいDIYには、花壇の設置、表札やポストの取り付け、アプローチに砂利を敷く作業などがあります。
DIYは想定よりも時間がかかったり、予期せぬトラブルが発生する可能性もあるため、自分でできる範囲を慎重に見極めることが大切です。
2.素材の値段を抑える
玄関アプローチに高価な天然石材を使用する代わりに、コスト効率の良い土間コンクリートを選択することで、大きく費用を節約できます。また、レンガよりも安価な化粧ブロックを使用すると、塀の建設コストを下げられます。
このように、デザインに大きなこだわりがない場合は、低価格の素材を選び、全体の工事費用を抑えるようにしましょう。さらに、砂利などのシンプルな材料を選ぶと、見た目に変化を加えつつ、コストの削減が可能になります。
3.必要な工事を厳選する
希望するすべての外構工事を実現しようとすると、総費用が高くなる傾向にあります。そのため、絶対に必要な工事から優先して計画し、予算の都合に応じて追加工事を検討するのがおすすめです。
たとえば、安全性を確保するための工事や、住まいの機能性に直結するものを最優先し、装飾的な要素は後回しにするという選択肢もあります。
外構工事の相場でよくある3つの質問
最後に、外構工事の相場でよくある質問について紹介します。
- 質問1.外構工事の工事費用や着手金はいつ払う?
- 質問2.外構リフォームの費用相場は?
- 質問3.外構工事業者を選ぶ際に押さえておきたいポイントは?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.外構工事の工事費用や着手金はいつ払う?
外構工事の工事費用の支払いは分割され、工事着手金として工事費の約30%を先払いし、工事の中間点で30%、工事完了後に残りの40%を支払うのが一般的です。しかし、支払いのスケジュールは工事会社や契約内容によって異なる場合もあります。
そのため、工事を依頼する前に、支払い条件を含め契約書でしっかりと内容を確認し、必要であれば工事会社との相談が不可欠です。
質問2.外構リフォームの費用相場は?
一般的には、門周りの改修や駐車場の整備など、比較的小規模なリフォームで50万円〜200万円程度が相場とされています。しかし、複数のエリアを同時にリフォームしたり、特別なデザインや高品質な素材を使用したりする場合、費用は200万円を超える可能性があります。
新築の外構工事に比べてリフォームはコストを抑えやすい傾向にありますが、工事の内容によっては高額になる場合もあるため、事前にしっかりと見積もりを取って計画を立てましょう。
なお、リフォーム時期の目安となる外構工事の耐用年数については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:外構工事の耐用年数とは?主な耐用年数やメンテナンス時期の目安を詳しく解説します!
質問3.外構工事業者を選ぶ際に押さえておきたいポイントは?
外構工事やエクステリア工事を検討する際、適切な業者選びは非常に重要です。適切な業者を選ぶために、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 実績が豊富
施工業者を選ぶ際には、業者がこれまでに手がけた施行実績の確認が重要。実績が豊富な業者は技術力が高い傾向にあり、信頼できる業者選びの目安となる
- 見積もり内容が明確
見積もりが明確であれば、工事にかかる費用を正確に把握できる。漏れている費用がないか、細かな内訳を確認し、必要に応じて質問して理解を深める必要がある
- 地域密着型で活動している
地域密着型の業者は、地元の気候や環境を熟知しており、迅速な対応が期待できる。また、長期的な関係構築がしやすく、将来的なメンテナンスや追加工事もスムーズに進む可能性が高い
これらのポイントを踏まえて業者を選ぶことで、満足のいく外構工事の実現が可能になります。
まとめ
本記事では、外構工事の費用を決める要素や部分別の外構工事の費用相場、外構工事の費用を安く抑えるコツについて解説しました。
外構には、オープン外構やクローズ外構、セミオープン外構・セミクローズ外構などの種類があり、どのタイプの外構を希望するかによって費用が大きく異なります。また、フェンスや玄関アプローチ、門回りなどの工事内容によっても金額相場は違います。
さらに、使用する建材によっても費用は大きく変動するため、外構工事を計画する際は、優先順位を明確にすることが大切です。ぜひ、この記事を参考に、外構工事の計画を検討してみてください。
