住宅の外構工事を計画している方で、ローンの可否や外構工事に利用できるローンの種類について知りたいという方もおられるのではないでしょうか。外構工事に利用できるローンには4種類あり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。
本記事では、外構工事でのローンの使用可否や外構工事の費用相場、外構工事に使用できるローンの種類について解説します。また、ローンの審査が通らないときの対処法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

外構工事にローンは使用できる?
新築やリフォームにおいて、外構・エクステリア工事のためのローンの利用は可能です。ハウスメーカーや工務店だけではなく、専門業者に新築外構を依頼する場合でも、ローンの使用が認められています。
なお、外構・エクステリア工事は後回しにされがちですが、意外と大きな金額が必要になるケースが多いため、計画的な準備が欠かせません。予算不足に陥らないように注意してください。
外構工事の費用相場
外構工事の費用は、一般的には住宅本体費用の約10%程度が目安といわれており、実際には100万円〜300万円ほどの費用になるケースが多いです。
しかし、外構・エクステリア工事の費用相場を建築工事費の10%と見積もるのは、必ずしも正解ではありません。実際には外構面積や選ぶエクステリア商品のグレード、材質などの細かな部分で大きく費用が変動します。
敷地面積や工事内容によって費用は変わるため、一概に「建築費用の10%」とするのはあくまで目安に過ぎません。実際の費用は外構業者に見積もりを依頼するしかなく、誤った相場感で予算を組んでしまわないように注意してください。
なお、外構工事の相場については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【部分別】外構工事の費用相場10例|費用を決める要素や安く抑えるコツを詳しく解説します!
外構工事に使用できるローンの種類
次に、外構工事に使用できるローンの種類について解説します。
- 住宅ローン
- リフォームローン
- カードローン
- フリーローン
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.住宅ローン
住宅ローンは原則的に「住宅の建築費用に限る」ため、外構・エクステリアのリフォーム工事のみの場合、対象外となります。しかし、新築時に住宅施工を依頼した業者に外構工事も一緒に依頼することで、住宅ローンにこれらの費用を含めることが可能です。
一方、自分で外構業者に依頼する場合、住宅ローン申し込み時に必要な外構・エクステリア工事費用の資料が整っていなければ、住宅ローンに組み入れることはできません。金融機関によっては、審査後に内容変更が可能な場合もありますが、事前に必要な書類を準備しておく必要があります。
メリット
住宅ローンのメリットは、まず資金計画の見通しを立てやすい点です。固定の返済計画により、将来の家計管理がしやすくなります。
また、住宅ローンの利子については税制上の優遇があり、所得税や住民税から控除を受けることが可能です。さらに、自己資金が少なくても、夢のマイホームが建てられる点も大きなメリットです。
デメリット
住宅ローンのデメリットは、長期間にわたる金融負担が大きい点です。返済期間が数十年に及ぶため、将来の収入や生活状況の変化に対応しづらくなる場合があります。
また、金利の変動リスクによって返済額が増加する可能性もあり、経済的な不安定さを引き起こすケースがあります。さらに、不動産市場の変動によっては、住宅の価値が購入時よりも下がる可能性もゼロではありません。
2.リフォームローン
リフォームローンは、住宅や外構・エクステリアのリフォームに必要な費用を支払うために利用できるローンです。このローンは、新築の外構を専門業者に依頼する場合にも使いやすく、住宅ローンに比べて審査期間が短く通りやすいです。
しかし、金利は高めで返済期間が短く、借入金額の上限も比較的低い設定になっています。諸条件は借入先の金融機関によって異なるため、銀行や信用金庫など、複数を比較検討する必要があります。
メリット
リフォームローンのメリットは、手持ちの資金に依存せずに家の修繕や改善ができる点です。低利息で借入れが可能な場合が多く、経済的な負担を抑えながら理想の住空間を実現できます。
また、リフォームローンは、住宅ローンと比較して審査に通過しやすいという特徴があります。さらに、外構工事単体で利用でき、施工業者が限定される心配がありません。
デメリット
リフォームローンの金利は、住宅ローンと比べて高いケースが一般的です。また、金利が変動するタイプのローンを選んだ場合、将来的に返済額が増えるリスクもあります。
さらに、金融機関によっては、借り入れ可能期間が短いという点もデメリットです。ほかにも、二重ローンになることで総返済額が増加し、高額な出費となるおそれがあります。
3.カードローン
カードローンは、専用のカードを使用して利用できる個人向けローンで、銀行や消費者金融、クレジットカード会社などがそのサービスを提供しています。
利用者は定められた「利用可能枠」内でお金を借りることができ、借入金の使い道に制限はありません。とくに、外構・エクステリア工事費用に使用する場合など、融資スピードが早い点がメリットですが、金利が高めであるため、費用対効果をよく考慮しなければなりません。
メリット
カードローンのメリットは、その利便性と柔軟性にあります。手続きが簡単で迅速に融資を受けることができ、急な出費や計画外の投資にも対応可能です。
また、使用した分だけ利息が発生するため、無駄な負担を避けられます。借入れ限度額内であれば何度でも借入れができ、返済後に再度利用することも可能です。
さらに、カードローンは多くの金融機関で提供されており、競争によって低金利で利用できる場合もあります。
デメリット
カードローンのデメリットは、高金利になる場合が多い点です。無担保のため、金利がリフォームローンなどに比べて高く設定される場合があります。
また、借入れが容易なため、計画的でない使用に誘発されがちであり、結果として過剰な借入れにつながるリスクがあります。さらに、頻繁な利用によってクレジットスコアが低下するリスクも考慮しなければなりません。
4.フリーローン
フリーローンは、主に銀行で取り扱われる個人向けのローンで、事業用や投資用を除いて自由に使用することが可能です。このローンはカードローンと異なり、利用可能額が事前に決められていないため、必要な分だけ借りられます。
外構・エクステリア工事費用など、借入金の使い道には制限がありませんが、融資スピードは遅く、住宅ローンやリフォームローンに比べると金利が高めです。また、業者によって利用できる会社が限られている場合もあります。
メリット
フリーローンのメリットは、使用目的を問わない柔軟性にあります。そのため、外構工事だけでなく、家庭の急な出費やニーズにも対応可能です。手続きが簡単で迅速に融資が受けられる場合が多く、計画的な資金使途に限らず、多目的に利用できるのが大きなメリットです。
また、担保や保証人が不要な場合も多く、金融機関との契約が比較的簡潔に済みます。フリーローンは低金利のオプションもあり、個々の信用状況や選択する金融機関によっては、非常に有利な条件で利用できる点も魅力の1つです。
デメリット
フリーローンのデメリットは、利用の自由度が高いため無計画な借入れにつながりやすい点です。これにより、返済負担が予期せず増加するリスクがあります。
また、無担保であるため金利が高めに設定される場合が多く、結果的に総返済額が多くなる可能性があります。さらに、フリーローンの審査が厳しい場合もあり、信用情報に問題があると承認されにくいです。
ローンの審査が通らないときの対処法
次に、ローンの審査が通らないときの対処法について解説します。
- 借入希望額を減らす
- 他の金融機関に申し込む
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.借入希望額を減らす
ローンの審査に通らない場合、借入希望額を減らすのが有効な対処法の1つです。金融機関は貸し倒れリスクを考慮して審査するため、借入額が多いほど審査は厳しくなります。
そのため、希望額を減らすことにより、返済能力に対するリスクが低減され、審査に通る可能性が高まります。また、一度審査に通った後で信用情報が良好であれば、将来的に再度増額申請することも可能です。
2.他の金融機関に申し込む
ローンの審査に通らなかった場合、別の金融機関に申し込むのも1つの対処法です。金融機関によって審査基準が異なるため、1つの機関で不承認となっても、他の機関では承認される可能性があります。
申し込みの前には、それぞれの金融機関の審査基準や提供するローン商品の条件を比較検討し、自分の条件に最も合致する機関を選ぶようにしてください。また、複数の機関に同時に申し込むと信用情報に影響を与える可能性があるため、慎重に申し込みをする必要があります。
外構工事のローンでよくある3つの質問
最後に、外構工事のローンでよくある質問について紹介します。
- 質問1.外構工事の費用を住宅ローンに組み込む際の注意点は?
- 質問2.外構工事の費用をリフォームローンで組む場合の注意点は?
- 質問2.外構工事をオーバーローンするメリットは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.外構工事の費用を住宅ローンに組み込む際の注意点は?
外構工事の費用を住宅ローンに組み込む際には、特定の施工業者に限定される場合があります。ハウスメーカーや工務店は通常、住宅の建設と外構工事を一括で扱うため、ほかの業者に外構工事を依頼すると、その費用を住宅ローンに含めることができない可能性があります。
また、ほかの業者を利用した場合、ハウスメーカーや工務店が提供する建物建築工事の割引を受けられないかもしれません。もし、ほかの業者に依頼したい場合は、事前に住宅の施工業者に外構工事の業者に関する制約があるかどうか確認してください。
さらに、住宅ローン申請時には外構工事の見積もりが必要ですが、住宅建設前の段階では正確な見積もりが難しいため、見積もりが拒否される可能性があることに留意が必要です。
質問2.外構工事の費用をリフォームローンで組む場合の注意点は?
外構費用をリフォームローンで組む際には、事前に費用のシミュレーションとほかのローンの有無を確認する必要があります。リフォームローンは、借用可能金額が10万〜500万円と住宅ローンに比べて少なく、最長返済期間が7年〜15年と短く設定されているため、金利も約2〜5%と比較的高めです。
なお、ほかのカードローンやキャッシングがある場合、それらの支払いがあるとリフォームローンの審査が通りにくくなるケースがあります。また、返済負担率が一定水準を超えると、ローンの審査が通りにくくなるため、総合的な財務状況を慎重に評価するようにしてください。
質問3.外構工事をオーバーローンするメリットは?
オーバーローンとは、土地と建物の価格以上の費用を住宅ローンで借りることです。この方法を利用する主なメリットは、初期費用を抑えられる点です。
外構工事には高額な費用がかかるため、オーバーローンを利用すると、その工事費用を住宅ローンに上乗せして分割払いすることが可能になります。これにより、現金を別の用途で活用できるほか、予算内でより質の高い外構デザインを選択できる可能性があります。
まとめ
本記事では、外構工事でのローンの使用可否や外構工事の費用相場、外構工事に使用できるローンの種類、ローンの審査が通らないときの対処法について解説しました。
外構工事に使用できるローンは主に、「住宅ローン」「リフォームローン」「カードローン」「フリーローン」の4種類です。これらは、それぞれに金利や返済期間、借り入れのしやすさなどに違いがあります。
もし、これらを利用したい場合は、それぞれのメリット・デメリットを適切に把握し、無理のない返済計画を立てるようにしてください。
