駐車場のコンクリート工事を検討している方も多いのではないでしょうか。駐車場がコンクリートであれば、雨の日も車や靴が汚れる心配はなく快適に過ごせます。
本記事では、 外構工事におけるコンクリート工事の費用相場や駐車場をコンクリートにするメリット・デメリット、注意点について解説します。また、コンクリート工事費用を安くするコツについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

外構工事におけるコンクリート工事の費用相場とは?
土間コンクリートの場合、1平米あたりの価格は大体7,000円〜12,000円ですが、面積が広がるにつれて単価は下がる傾向です。たとえば、駐車場をコンクリートで整備する際、15㎡のスペースでは単価が11,000円〜12,000円で、全体の費用は165,000円〜180,000円程度になります。
しかし、45㎡の広さの場合、単価は7,000円〜9,000円に下がり、費用は315,000円〜405,000円です。このように、面積が増えると単価は減少しますが、50㎡を超える工事の場合は作業が複雑になり、予想以上に費用がかかるケースもあります。
外構工事で駐車場をコンクリートにする場合の費用相場
次に、外構工事で駐車場をコンクリートにする場合の費用相場について解説します。
- 砂利をコンクリートに工事するケース
- 土をコンクリートに工事するケース
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.砂利をコンクリートに工事するケース
費用相場は大体40万円前後で、主にコンクリート打設の単価によって変動します。コンクリート打設にかかる単価は業者によって異なりますが、一般的には平米あたり6,000円〜10,000円が相場です。
工事を依頼する場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討するようにしてください。これにより、最もコストパフォーマンスが高い業者を選定し、工事費用を抑えることが可能になります。
2.土をコンクリートに工事するケース
土をコンクリートに工事するケースの費用相場は、およそ40万円前後で、舗装を行う前の地面が土であっても砂利であっても、費用に大きな差が生じないのが一般的です。
駐車場が土の場合は、雨天時にぬかるみが発生するため、不便に感じている方も少なくありません。そのため、駐車場をコンクリート化することで、駐車場の利便性を高めるとともに、駐車場の耐久性やメンテナンスの容易さを向上させる効果が期待できます。
駐車場をコンクリートにする5つのメリット
次に、駐車場をコンクリートにするメリットについて解説します。
- 車や靴が汚れにくい
- メンテナンスがしやすい
- 耐用年数が長い
- 雑草が生えにくい
- 水はけがいい
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.車や靴が汚れにくい
土の駐車場では、雨が降った後の泥はねや、ほこりが車や靴に付着しやすくなります。しかし、これがコンクリートの場合は大幅に減少します。
雨天時の水たまりや泥水の飛散は、車体や靴、さらには衣類を汚す主な原因です。しかし、コンクリート化によって、駐車場から家へ移動する際も、汚れによる不快感や清掃の手間が減少し、日常生活がより快適になります。
2.メンテナンスがしやすい
土や砂利の表面と比較して、コンクリートは清掃が容易であり、日常のメンテナンスが効率的になります。たとえば、コンクリートの駐車場では汚れや泥が付着しても、水を使って簡単に洗い流せます。
さらに、油や塗料などの頑固な汚れがあった場合でも、ブラシを使用することで、比較的容易に清掃が可能です。このように、コンクリートの駐車場は美観を維持しながら、日々のメンテナンスの手間を軽減させるための有効な選択肢となります。
3.耐用年数が長い
一般的に、適切に施工されたコンクリートの構造物は、50年程度の耐久性が見込まれています。この寿命は、コンクリートの質と環境条件に左右されるものの、定期的なメンテナンスによってさらに延ばすことも可能です。
ただし、塩害や凍結融解など、特定の環境下ではコンクリートの劣化が早まる可能性があります。それでも、砂利やアスファルトと比較してコンクリートは圧倒的な耐久性を持っており、長期的な視点でコスト効率が高い選択であると考えられます。
なお、外構工事の耐用年数については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:外構工事の耐用年数とは?主な耐用年数やメンテナンス時期の目安を詳しく解説します!
4.雑草が生えにくい
土や砂利の駐車場は雑草が生えやすく、その駆除に定期的な手間がかかります。しかし、コンクリートの施行により、雑草の種が土中に到達しにくくなり、結果として雑草が育ちにくい環境となります。
そのため、手入れに時間を割くことが難しい方や、手間をかけたくない方にとって大きなメリットです。また、雑草対策に使用する化学薬品の消費量を減らせるため、環境にも優しい選択肢です。
5.水はけがいい
雨が降った際、土や砂利の駐車場では水溜りができやすく、それが歩行者の転倒リスクを高めたり、車の出入りを困難にしたりする場合があります。
しかし、コンクリートの駐車場では、施工時に適切な水勾配を設けるため、効率的な雨水の排水が可能です。さらに、表面を滑りにくい刷毛引き仕上げにすると、安全性が高まります。これにより、雨天時でも安心して駐車場が利用でき、車や歩行者の安全性が保たれます。
駐車場をコンクリートにする3つのデメリット
次に、駐車場をコンクリートにするデメリットについて解説します。
- ひび割れが生じる可能性がある
- 初期費用が高額になる
- リフォーム費用が高額になる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.ひび割れが生じる可能性がある
湿度や気温の変化、地盤の動きなどによって、ひび割れが生じる場合があります。初期の段階で発生するひび割れは、多くの場合、構造上の安全性には影響しませんが、美観に悪影響をおよぼします。
現在の建設技術では、コンクリートにおけるひび割れを完全に防止することは難しいため、その点を考慮しておかなければなりません。定期的なメンテナンスによって、ひび割れが拡大するのを遅らせることは可能ですが、防ぐことは困難です。
2.初期費用が高額になる
コンクリート材料自体の価格が高く、加えて工事に必要な手順が複数存在するため、初期費用が高額になりやすいです。ただし、工事を施行する業者によって見積もりは異なるため、費用を抑えられる可能性はあります。
数万円から数十万円の差が生じるケースも珍しくないため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討するようにしましょう。
3.リフォーム費用が高額になる
コンクリートの撤去には専門の工事が必要になるため、高額な工事費や人件費がかかります。さらに、撤去したコンクリートを廃材として適切に処分する費用も負担しなければなりません。
撤去費用は撤去するコンクリートの面積や厚みによって変動しますが、一般的には元の舗装工事の費用の50%から70%程度が必要になるとされています。そのため、コンクリートの駐車場を検討する際は、初期費用だけでなく、将来的な撤去や変更に関わる費用も考慮に入れるべきです。
駐車場をコンクリートにする場合の3つの注意点
次に、駐車場をコンクリートにする場合の注意点について解説します。
- 養生期間がかかる
- 見た目を保つために手入れが必要になる
- DIYは失敗しやすく後処理が大変になる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.養生期間がかかる
コンクリートは、施工後に完全に硬化するまでに1週間から2週間程度の期間を要する場合があります。その間、駐車場は使用できないため、車の一時的な駐車場所を確保しなければなりません。
日常的に車を利用する場合は、近隣の駐車場を借りるなどの対策が必要となり、その際には追加の費用が発生する可能性を視野に入れておきましょう。このように、駐車場をコンクリートにする際は、養生期間中の駐車スペースついても考える必要があります。
2.見た目を保つために手入れが必要になる
コンクリートの駐車場は、砂利やアスファルトに比べて手入れがしやすいですが、完全にメンテナンスフリーなわけではありません。時間が経過すると、タイヤの跡や黒ずみなどが生じます。
これらの汚れが目立ち始めたら、見た目を保つために適切なメンテナンスが必要です。コンクリート舗装の耐用年数は約20年とされていますが、美観を維持するには定期的な清掃が欠かせません。
3.DIYは失敗しやすく後処理が大変になる
駐車場のコンクリート化をDIYで試みる方もいますが、高度な専門知識と技術が必要なため、失敗するリスクが伴います。一度失敗すると、解体から再施工に至るまでの工程が必要となり、相当な時間と追加費用がかかります。
DIYでの典型的な失敗例としては、コンクリートが適切に固まる前に形成作業が完了できず、強度が不十分な状態で仕上がってしまうケースです。その結果、短期間でのひび割れや陥没といった問題が発生する可能性があります。
外構工事におけるコンクリート工事費用を安くするコツは3つ
次に、外構工事におけるコンクリート工事費用を安くするコツについて解説します。
- コンクリートとアスファルトを併用する
- 複数の業者から見積もりを取る
- 使用する面積を最小限に抑える
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.コンクリートとアスファルトを併用する
アスファルトはコンクリートに比べて費用が抑えられます。そのため、重い負荷がかかるエリアにコンクリートを、それ以外のエリアにはアスファルトを用いると、全体のコストを削減することが可能です。
しかし、この方法は面積によっては逆にコストが高くなる可能性もあるため、工事を行う前に詳細な見積もりを取得し、全体のコスト効率を検討することが大切です。
2.複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることを相見積もりといいます。3社から5社程度に見積もりを依頼すると、それぞれの業者の価格やサービスの質を比較しやすくなります。
ただし、最も安い見積もりに飛びつくのではなく、価格の妥当性と業者の信頼性を総合的に評価することが大切です。極端に安い見積もりは、質の低い材料の使用や手抜き工事の可能性を示唆しているかもしれません。
そのため、コストだけでなく、業者の評判や提供されるサービスの質も考慮し、総合的に判断しましょう。
なお、外構工事の費用相場については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【部分別】外構工事の費用相場10例|費用を決める要素や安く抑えるコツを詳しく解説します!
3.使用する面積を最小限に抑える
施工面積が費用に直結するため、不必要に広いエリアをコンクリートで覆うのではなく、必要最低限の部分だけに施工すると、コストを削減できます。
たとえば、車の通行や駐車に必要な部分のみコンクリートで舗装し、それ以外の部分はコストが低い砂利を使用するのが1つの方法です。ただし、施工面積を過度に減らすと、単価が上がる場合もあるため、バランスが重要になります。
外構工事におけるコンクリート工事費用でよくある3つの質問
最後に、外構工事におけるコンクリート工事費用でよくある質問を紹介します。
- 質問1.コンクリート工事の工程ごとの単価は?
- 質問2.コンクリート工事の費用を構成する要素とは?
- 質問3.業者を選ぶ際のポイントは?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.コンクリート工事の工程ごとの単価は?
コンクリート工事の主な工程とそれぞれの単価については以下のとおりです。
- 鋤取り作業
不要な土を取り除く作業。単価は1㎡あたり約500円~1,000円で、撤去した土の処分費用が1㎡あたり約800円~2,000円かかる
- 砕石の敷き詰めと転圧作業
砕石を敷き詰め、転圧機で固める作業。砕石敷き詰めの単価は1㎡あたり約3,000円、転圧作業の単価は1㎡あたり約1,000円かかる
- 型枠とワイヤーメッシュの設置
型枠の設置単価は1㎡あたり約300円。ただし、型枠を使用しない工事もあるため、見積もりの際に型枠工事の有無を確認する必要がある。ワイヤーメッシュ設置の単価は1㎡あたり800円〜1,000円程度かかる
- コンクリート打設
コンクリートを流し込む作業で、単価は1㎡あたり約1万円〜1万2,000円。養生が必要な場合は、別途費用が発生する可能性があるため、見積もりの際に確認が必要
- オプション(カッター目地、車止め設置など)
カッター目地は1㎡あたり約500円~1,000円、車止めの設置は1つあたり約1,000円~3,000円の費用がかかる
これらの単価は目安であり、地域や業者によって異なるため、正確な費用を知るには複数の業者へ見積もりを依頼してください。
質問2.コンクリート工事の費用を構成する要素とは?
コンクリート工事の費用を構成する主な要素は以下のとおりです。
- 材料費
コンクリート工事にはセメント、砂利、ワイヤーメッシュなどの材料が必要で、これらが材料費に含まれる。オプションとして、タイルや大理石などの装飾材料も材料費に算入される
- 設計費
設計事務所や設計士に依頼する全体のプランニングや図面作成にかかる費用。設計費は設計士の経験や専門性によって変動する
- 工事費
人件費や運搬費など、実際の作業に必要な費用。工事の複雑さや敷地の条件によって変わり、複数日にわたる作業の場合は日数に応じて加算される
質問3.業者を選ぶ際のポイントは?
適切な業者を選ぶには、まず複数の業者から見積もりを取り、それぞれのコストと提供されるサービスの比較が重要です。低すぎる見積もりは、工事後に追加費用が発生する可能性があるため、見積もりがすべての作業を含んでいるか、追加費用の発生はないか確認する必要があります。
また、過去の施工実績をチェックし、質の高い仕事を提供しているかどうか評価しましょう。さらに、業者とのコミュニケーションも重要なポイントです。電話やメールでの対応が迅速かつ丁寧であるかどうかも、円滑に仕事を進められるか否かの指標となります。
まとめ
本記事では、外構工事におけるコンクリート工事の費用相場や駐車場をコンクリートにするメリット・デメリット、注意点、コンクリート工事費用を安くするコツについて解説しました。
駐車場をコンクリートにすれば、雨が降った後の泥はねやほこりが車や靴に付着するのを防げます。また、メンテナンスも容易であり、耐用年数が長いのも大きなメリットです。
しかし、コンクリート工事にかかる初期費用は決して安いものではありません。そのため、アスファルトとの併用や使用する面積を最小限に抑えるなどの検討が不可欠です。
また、工事業者を選定する際は、複数の業者から見積もりを取得し、価格とサービスの内容を比較することが大切です。
